本機は、油圧自動制御装置付「延緊工法」用 1.2mシューチェーン延線車です。
その特徴は、ACSR・OPGW・ワイヤロープなどの線条体を、線条体自身が互いにこすれたり滑ったりしないように、シューチェーン溝面上で巻回する機構になっているオーネゾルゲのシューチェーン巻胴です。
また、シューチェーンは野外でかつ長年の使用に耐えるように、その材質には特殊熱処理が施してあり、非常に高い評価を国内はもとより、海外の現場技術者より頂戴し、今日に至っております。
延線時の制動と巻取り・繰出しの3シーケンスとも全て油圧式となっていますので過張力の発生がないこと、加えて安定した性能を保有していることは顧客の方たちに等しくご認識頂いています。
当延線車は、ACSR610mm²(680mm²)まで、定格3000kgfの張力で延線・巻取り・繰出し作業ができる性能を有しています。
特に、近時の光ファイバーケーブル(OPGW)等に対して、品質を損ねるような負担が掛からない施工対策(ファイバー保護)として、延線速度 30m/min 時において180kgf[min150kgf]の極低張力性能を付与いたしました。従って、延線張力は、180kgf[min150kgf] ～ 3000kgfまでの広い領域で油圧自動制御（制動）による延線張力の設定が可能であり、極低張力まで延線作業が安定した状態でご使用いただけます。
巻取張力についても、0～3000kgf(20m/min 時)という範囲で、真価を発揮いたします。
尚、延線作業に使用するときは、外部（電源）エネルギーを必要とせず、延線速度に関係なく無段階の設定張力で、油圧自動制御の油圧回路が機能します。また、巻取り作業及び繰り出し作業に使用する時には、外部（電源）エネルギーを使用することによって、無段階変速でかつ無段階張力で、油圧自動制御の油圧回路が機能します。
特長
- シューチェーン巻胴方式のため、電線と延線工具・ワイヤロープとの接触による損傷がありません。
- シューチェ－ンの溝形状は、放物線溝形でクロロプレンゴムが施してありますので、シューチェーン溝面での電線の滑り及び損傷はありません。
- 延線作業時には、外部（電源）エネルギーが不要です。また、ダブル斜板式アキシャルピストンポンプによる油圧自動
御回路の働きによって、速度に関係なく設定張力にて定張力延線をすることができます。
- 延線作業時における最低延線張力が、180kgf (30m/min 時) [min 150kgf]と低いので、化繊ロープ・ワイヤロープ・OPGW等の細径索条の延線も安全に施工できます。
- 巻取り・繰出し作業時は、外部（電源）エネルギーを使用しますが、電動機及び油圧ピストンポンプと油圧ピストンモータによる油圧駆動方式を採用していますので、運転は低騒音です。
- 「巻取り」「繰出し」は、レバーハンドル1本の手動操作で切換えることができます。また「巻取り速度」「繰出し速度」も、このレバーハンドル1本の傾転角を変えることで、0～20～max45m/min(60Hz)の範囲で無段階に速度の設定をすることができます。
- 低馬力制御方式の油圧ポンプを採用しており、低張力から高張力（最大3000kgf）の巻取張力まで、動力を無駄なく活用しています。
- 油圧制御回路には、過張力防止装置が組み込んでありますので、過張力になることなく、安全かつ確実に延線作業及び巻取り&繰出し作業ができます。
- 油圧作動油の油温管理用として、シューチェーンキャプスタンが回転することによって、発生する自己油圧流量によって、冷却ファンを回す強制空冷式のオイルクーラを内蔵していますので、外部（電源）エネルギーを使用しない、延線時であっても、また、巻取り・繰出し時であっても、延線車は長時間連続して運転ができます。
- 延線車は、油圧配管およびシューチェーンを分解することなく、簡単に、ドラム側と制御側に2分割できます。
製品イメージ
外径寸法図
